さて、具体的なプロセスをお見せしよう。
最初は鋳造された四角い塊のガラス。
それを眺めながらどんな形に削り出すのか考える。ガラスとの対話の時間。
そこから、大まかに形を荒削りし、だんだん細かい削り方になる。
1mm程度の荒削りから始まり、しだいに砥石の番手の目が細かくなるにつれ、
僕とガラスがしだいに一体となっていくような感じになってくる。
削るほどにガラスの模様が浮き出てきて、内包されていた部分が見えてくる。
数ミクロンの皮をはいでゆくと、だんだん中の世界が見えてくる。
最後に酸化セリュウムの粉で磨き上げると、ガラスの本質が顔を現すんだ。
最初の四角い塊からは想像もつかない美しい小宇宙が内部に広がっているのが見えてくる。
感動的だ。

 






 
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