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Episode 5
【 ともだちの死 】



工場の夕暮れはキレイで少し悲しい
制作の時間は祈りの時間でもあった。
個人的なことだけど、この仕事をぼくが受けてから、できあがるのを楽しみにしてくれていた大事な友人たちが、偶然3人も完成を見ずにつぎつぎ魂の人となっていった。
余命いくばくもない親友の死を目前に、作業の手を止めて、そばにいたいとも思ったが自分の役目を果すことに専念した。
作品を作る傍ら当たり前だが、いろいろな日常をかかえながら制作に没頭しなければならない。
頭の中は作品全体のことや、周囲との関係、様々な考えがめぐるが、気がつくといつも祈るしかなかった。
とにかく僕に今できることはこれしかなかった
祈りながら制作しつづけて、やがて全てが感謝に満ちたとき、目の前が、汗と涙でぐちゃぐちゃになった。
ぼくにできることは、いい作品を作り上げることだった。
無心でガラスを削り、磨いた。
猛暑がすぎ夏が終わりをつげるころ、僕は限界に達していたと思う。
突然の寒気がなんどもぼくの意識をモウロウとさせた。苦しかった。



 
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