- 新しいショープール
- 水族館入り口
さて、今回ご紹介する「青島極地水族館」は、前回ご紹介した「大連の水族館」とは姉妹関係にあるのですが、こちらは極地生物と海獣類の展示をメインとしていて、それなりに大連の方よりも一段と進化を遂げています。
入場料は、120元(約1900円)。
総面積20,000平米、総水量11,000トン、そして現在も引き続き大型魚の水槽や海獣類のショープールの建設が進行中です。今夏には水量が更に増えて、総トン数約20,000トン以上にはなるでしょう。ちなみに我が国最大の「沖縄美ゅら海水族館」の水量は、15,000トンです。
・・・というわけで水族館の入場口を一歩入ると、まず正面の水槽にはベルーガが、そして見上げる天井水槽にはペンギンが迎えてくれます。
中国語の解説板が読めないまま、ホッキョクグマ、ラッコ、アザラシといった極地の動物たちに目をやりながら、例によって脅威的な人口に対応した広過ぎるほどの導線通路に従い、独り歩を進めていると、急に自分が小さくなり、普段見慣れた小動物たちとさえ同じ大きさになってしまう恐怖と、それらの動物たちへの親しみとが不思議に錯綜して、思わず実存主義なんかについて考えてしまい、水族館における物理的空間の機能性と自らの偏見との関係性が哲学の領域まで高まりをみせ、危うく柱にぶつかりそうになって、心ならずも暗闇に寄り添うカップルの冷たい視線に、ふと身を固くしてしまう・・・。
更に進むと長いスロープの頂には、愛くるしいペンギン水槽があって、ジェンツー、チンストラップ、エンペラーなど、極地ペンギンの種類の多さには、毎度のことながら驚いてしまう。
よくもここまで集めたもので、日本の水族館も近年これだけの量を集めるのは困難でしょう。しかしアラを探すわけではないが、その中に極地には居ない筈の“ロックホッパー"がいるのが少し残念な気持ちにさせられるのですが・・・。
- 帆船復元
とかなんとかあれやこれやと思いを馳せながらスロープを進むと、辺りはテーマパークの様な展示形態になり、そこには1300年代、大船団を率いて世界の海に乗り出した鄭和(彼は、一説にはコロンブスよりも早くアメリカ大陸を発見したと言われています)の主船であった宝船(ほうせん)のレプリカが陳列されていて、観る者には中国の海洋歴史の誇りがひしひしと伝わって来ます。 |