人気パビリオンにはそれぞれの工夫があり、特に二足歩行のロボットなど、老後はこれで介護してもらいたいと思うほどの出来栄えで、水族館見学や徘徊防止にもいいかしらと、いささか心細い思いも巡らしたものです・・・。
さて、ここからが本題です。
実は万博と水族館の関係はとても深く、以前に第五話で述べたヨーロッパの水族館の関連で「1851年ロンドン博」の建物は、大木を中心にした植物園の様なパビリオンであったらしく、ほんのわずかにガラス水槽の中の水草や淡水魚の展示が、教育ママの関心を引いたようです。
1890年頃は、ヨーロッパ各地で今のような水族館が出来ており、顕微鏡の発達で放散虫(※注釈参照3)が意匠に取り入れられていたのです。
そしてその結集が「1900年のパリ万博」だったと言っても過言ではない様です。
テーマはジュール・ベルヌの「海底2万マイル」で、海底疑似体験のために大型ガラス板を使用した容積20t以上の水槽を設置、潜水夫や人魚も泳ぎ、イソギンチャクやサンゴ、それに魚も入った水槽が大いに人気を博したのです。
今回の「愛知万博」もその流れを引き(?)、名古屋城の金の鯱(しゃちほこ)のレプリカが名港水族館に展示されたのです。
蝉麻呂 |