■奥村禎秀プロフィール
『第一部 水族館の楽しみ方』
第1回「水族館を倍楽しむ方法」
|
第2回「水族館物語」
|
第3回「いい水族館わるい水族館」
第4回「水族館の形」
|
第5回「番外篇」
|
第6回「水族館、隠れた見所」
第7回「第6回世界水族館会議」
|
第8回「 水族館と万博 」
|
『第2部 中国の水族館〜
熱烈的超最新レポート!!
』
第1回 大連老虎極地水族館
|
第2回 青島極地水族館(チンタオ キョクチスイゾクカン)
第3回 中国水族館(番外篇)
第2回「水族館物語」
メガネモチノウオ
(ナポレオンフィシュ)
円形水槽
トンネル水槽
アクリルの見本
汽車窓水槽
蝉麻呂
もうイヤ・・・昨夜、あんなに執拗で貪欲だった男が、今日はもう水槽越しにメガネモチノウオをうつとりと眺めながら、
『これは別名ナポレオンフィシュ、ほれ、ナポレオンの帽子に似てるやんか・・・アレ、これ孕んどるのとちがうかいなァ?』
『何言うてんの、こちらはお腹の子どうしょう・・・いうて悩んでるんやで。この男サメの水槽にぶち込んでやるわ・・・完全犯罪や!!』
蝉麻呂
そう心に決めた彼女は、サメの、
「腸を出して海水洗い」
の習性を知らないばかりに、翌日水槽の中に髑髏が一つ転がっていて、敢え無く逮捕された、というようなミステリーの方が、水族館には向いているように思いますが、意外にそういうのは無く、文学に於いて有名なのは、曽野綾子氏の初期の作品に『円型水槽』という作品があり、これは彼女の書斎の近所に水族館があって、あまりうるさいのでクレイムに出かけ、水族館が意外に面白いと知って作品にしたという、まあ、これはトレビアの泉でも知らないエピソードですが、さてこの『円形水槽』とは何か?
円筒形の水槽で、集団で絶えず泳ぎまわる魚の習性(いわし・さけ・鮎などの幼魚)を活かした、ネタが回る回転寿司のような水槽です。
水族館は作り手も見る方も意外に鉄道マニアが多いのか、水槽の名称に「トンネル水槽」や「汽車窓水槽」という呼び名があり、『トンネル水槽』の歴史は、日本では1981年、
魚津水族館
が初めてで、天井・壁が全て海中状態、『洋服を着たまま、まるで海の中!』というキャッチで売り出しました。
蝉麻呂
最近ではトンネルを抜けると、そこに日本ベンチャー企業が見えるという、四国の片田舎に驚くべき有名企業(日プラ株式会社)があり、此処の技術は水族館の
『水槽アクリル接合技術世界一』
、なんと世界の水族館のアクリルのシェアー80%を誇り、日本の技術力まだまだ安泰なのであります。
「汽車窓水槽」とは何か、これは何の変哲も無い汽車の窓のような水槽で、多分汽車に乗りながら海中を旅行する、少年の夢状態に耽る大人のロマンチスト集団あっての呼び方で、多分これからも「水族館殺人事件」というような殺伐としたお話しはないかも・・・ネ。