ご無沙汰してしまいました。申し訳ありません。
小人(しょうじん)閑居して、どこで不善をなしていたか?・・・社会が悪い、サブプライムが悪い?
日本の地方財政からして、新水族館建設は望むべくも無く、水商売には厳しい今日この頃。しかし、対岸の大国「中国」では、今や空前の水族館ブーム。
そこで今回の再開第二部『大人の水族館』シリーズでは、「飛ぶ物は、飛行機以外・・・四足は、机以外・・・水中で動くものは、潜水艦以外・・・全て胃の中に収めてしまう」という、あの中国の、中国による、中国人のための《水族館》を紹介しましょう。
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広い中国、まずは手始めに遼寧省「大連市」の水族館を覗いてみましょう。
大連の町には二つの水族館があります・・・で、まずはそのうちのひとつ「大連老虎極地館」へ。
この水族館は2002年4月にオ―プン。名前が示すように、極地の生物が展示のメインになっている。
水族館展示面積36000m²。水量約13000t。100元という高い料金(詳しくは後述)でそんなに人が来るのかと、心配になるほどの大きな建物の入口ゲートには、これまた大勢の受付嬢が一斉に『ニィハオ!』・・・青い制服、白いブーツ、かっこいい! が、しかしよく見ると、ブーツssの白が少し剥げていて、全員、長身の美人(大連の女性は美人で有名)の微笑が、なにやら哀れで余計いとおしく・・・(護ってあげたいッ)?
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何を見にここに来ているのか分からなくなりそうなところで、ふと気を取り直して奥に進むと、いかにも光量の足りない薄暗い映像に加え、はたまた《氷山を模した擬岩※》のエントランスの広さに驚かされる。
通路幅約6メートル、この国の所得からして、前述のこんなに高い入場料(100元=約1500円。因みにこれだけあれば、地元(遼寧省)でも人気の高い四川料理5品とビ―ルと酒が充分味わえる)を払って人が来るのかと思っていたら、何と年間入場者数200万人とか。人口約13億人、大人(たいじん)の水族館に小人は驚きぱっなし。
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シロクマの水槽には、昨年子供を生んだ貴重なオスとメスが悠々と歩き、更にはベルーガ、ラッコといった、北の稀少動物が展示されている。水槽前の広いスぺースは、水族館愛好カップル定番の《適当な二人だけの暗闇※》、どころか、広過ぎて何処で誰が何をしているかも分からない。将来は『上海ベイビー』の続編で『水族館ベイビー』でも書くか・・・?と、まぁ相も変らず「不善は我が思考回路にこそ有り」か?!
多分目玉の《大水槽》は総水量約700トン。真ん中をチュ―ブで貫いたトンネル状になっている。多分この形式のトンネル水槽は、他に無いと思うが、その割には効果が薄いのが残念。
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《円筒水槽※》、《個水槽※》のホールには「参加型※」の教育ゲーム、現在は動かないままのマッコウクジラとダイオウイカの戦いの再現巨大ロボットや、氷点下の極地体感ゾーン・・・などなどと、色々面白い展示物は有るのだが、何か物足りない、何だろう?
よく分からないが、多分、《解説パネル》や《写真パネル》などの活用による、展示内容の理解を促すためのストーリー性の提示や、それに伴うイメージ的な演出などへの配慮が足りないせいなのかも知れない。
《ショウプ―ル※》では、イルカはもとよりベルーガのショウもある。ショウプールを背景にイルカとブライダル記念写真を撮るウエディングドレスの花嫁がいたりして、ここ中国でも《水族館に於けるショープールの人気の高さ※》を物語っている。
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この「極地館」を出ると海獣類のショウプールがあり、ディズ二―のような海賊船を模して作られていて、アシカ、アザラシ、トドといった、夥しい数の海獣類がいて、別料金で餌をやる体験が出来る。
また別棟には《珊瑚館》があり、日本から来た小人には大き過ぎる『中国の水族館』なのであります。
・・・と言うわけでますます、「小人閑居していてはいけない」のだと、私はこのあともずっと中国を放浪していたのです。
これから始まる《中国水族館紀行》、乞うご期待!!
(つづく)
尚、※を付記した語句の詳細について更にお知りになりたい方、併せて水族館について更に関心を深めたい読者は、当サイトの第一部『大人の水族館』、または当サイトが新書版として刊行された講談社現代新書『水族館狂時代』(2006年度ダカーポ年間ベスト本選出)をご参照ください。
なぜか、水族館に行きたくなる・・・こと、請け合いですッ!!
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蝉麻呂
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